詩人と娘の情景
ほんとうの自由(つばさ)にまつわる 心のディアローグ――内田也哉子
原作を書いたのは、フランスのシュールレアリスムの詩人、ポール・エリュアール。イメージ豊かで光にみちた数多くの「恋愛詩」と「レジスタンス詩」で知られるエリュアールが1951年に書いた唯一の童話がこの『グランデール』です。 父が幼い娘に語り聴かせるスタイルでつくられた話の主人公は、タンポポの綿毛のように身の軽い女の子。グランデール(翼の種子)と名づけられた少女は、高い木のてっぺんに腰掛けて鳥たちと話しができますが、本当に飛べるわけではありません。大きくなると羽が生えてくると信じているグランデールは、毎朝鏡に背中を映しては「まだだわ」とつぶやくのでした。
この童話は、四十五年前に館長がパリで見つけ、手書きで訳して誕生日の贈り物にした一冊だった。三十年を経てエクリから出版するまでのことと原本の写真が、木林文庫の蔵書ページにある。




